矯正治療中の歯の動き
スタンダードエッジワイズ法の一般的な流れ
スタンダードエッジワイズ法の矯正治療が、実際にどのように進められるのか、一般的な流れを具体的な症例と一緒に見ていきましょう。
スタンダードエッジワイズ法には、ワイヤーに歯を引っ張る際の土台を作ったり、一本一本の歯ごとに異なる傾きをワイヤーに付けたりできるという特徴があり、特に仕上げの段階(以下の「非抜歯の場合」の(4)、「抜歯の場合」の(5))で、他の矯正法との差が明らかになります。
また、抜歯をするかどうかで治療の手順が多少異なります。抜歯の要・不要は、歯の状態や口元の状態を診断した上でご提案します。詳しくは「抜歯について」をご覧ください。
非抜歯の場合
STEP1
歯のデコボコや
垂直方向の位置を整えます


STEP2
ゴムを使い
上下のズレを直します


STEP3
ブラケットの位置を確認し
再度並べ直します


STEP4
歯や歯根の位置関係を
三次元的に微調整して仕上げます

※画像提供:新潟大学歯学部 咬合制御学分野・八巻正樹先生
非抜歯の治療例
この患者さんの場合、なにより歯のデコボコが少なく、鼻も高くて口も自然に閉じることができました。
あごの前後のズレもほんの少しであったので、非抜歯で矯正治療を行いました。
治療前と治療後
矯正治療中の歯の動き
抜歯の場合
STEP1
歯のデコボコや
垂直方向の位置を整えます


STEP2
犬歯、大臼歯を、
治療計画に基づく位置へ移動させます


STEP3
犬歯、大臼歯の位置に合わせて
前歯を後ろに移動させます


STEP4
抜歯でできたスペースや
元々空いていたスペースが埋まった状態です


STEP5
歯や歯根の位置関係を
三次元的に微調整して仕上げます

※画像提供:新潟大学歯学部 咬合制御学分野・八巻正樹先生
抜歯の治療例
この患者さんの場合、口を自然に閉じることができません。調和のとれた口元にするためには、抜歯をする必要がありました。
治療前
治療後
この症例の治療期間:非抜歯例:1年4ヶ月 抜歯例:2年
通院回数:月1回程度の通院
診断名あるいは症状:非抜歯例:反対咬合 抜歯例:上突咬合
年齢:非抜歯例:30代 抜歯例:7歳1ヶ月
抜歯部位:Ⅱ期で上顎下顎第1小臼歯
非抜歯例:80~110万円(税込)
抜歯例:Ⅰ期30~50万円(税込) Ⅱ期40~70万円(税込)
※別途、初診相談料5,500円(税込)、検査診断料55,000円(税込)
【副作用・リスク】
初めて装置を装着した時やワイヤー調整後、個人差はありますが、違和感や咬むと痛みを感じることがあります。
矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
歯並びを整え、咬み合わせを改善するため、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
リテーナー(保定装置)を使わずに放っておくと、治療前の状態に後戻りすることがあります。
※一般的なリスク・副作用については、こちらのページにも詳しく掲載していますので、ご覧ください。