開咬
開咬とは?
開咬とは、奥歯を咬みしめた時に、前歯や横の歯が咬み合わない状態です。お子さんの場合は、指しゃぶりや舌突出癖が原因で開咬となることがほとんどです。こういった癖をやめて、形を整える治療を行うと開咬は改善しますので、早めの治療をお勧めします。
指しゃぶりによる開咬
指しゃぶりが原因で開咬になってしまう方がいます。そのような場合は、まず指しゃぶりをやめていただきます。これだけで、開咬が治ってしまう方もいます。
指しゃぶりをやめただけでは治らない方は、矯正治療で、指しゃぶりで引き出された歯とあごを元の位置に戻すことが必要になります。
指しゃぶりは精神的充足を求めた行為です。無理にやめさせると自傷行為等に変化することがあります。患者さんご自身がやめようという意志をもってやめる必要があるのです。やめるのが困難な患者さんのケースでは、指しゃぶりをやめるための動機付けとして、矯正治療により形を整えることを先行する場合もあります。
舌の突出癖による開咬
舌の突出癖が原因で開咬になってしまった方の場合は、矯正治療により、空いた前歯を閉じ、同時に舌の癖の修正を行います。最終的に、食べものをきちんと飲み込み、口が自然に閉じるようになることが目標になります。
永久歯が生え揃う前の矯正治療例
I 期治療前
I 期治療後
治療終了後
11歳10ヵ月時
指しゃぶりと舌突出癖のあった患者さんです。指しゃぶりをやめるよう指導し、矯正治療と平行して正常な、舌を突出させない嚥下を練習していただきました。また、日常生活できちんと唇を閉じることを心がけていただきました。
最初は9歳1ヵ月、I 期治療後が10歳11ヵ月。正常にものが飲み込めるようになり、口も自然に閉じる習慣が身につきました。11歳10ヵ月時にはきれいな永久歯の歯並びができ上がりつつあります。
この症例の治療期間:Ⅰ期1年10ヶ月
通院回数:月1回程度の通院
治療に用いた主な装置:マルチブラケット装置
抜歯部位:なし
標準的な費用の目安:Ⅰ期30~50万円(税込)
※別途、初診相談料5,500円(税込)、検査診断料55,000円(税込)
【副作用・リスク】
初めて装置を装着した時やワイヤー調整後、個人差はありますが、違和感や咬むと痛みを感じることがあります。
矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
歯並びを整え、咬み合わせを改善するため、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
リテーナー(保定装置)を使わずに放っておくと、治療前の状態に後戻りすることがあります。
※一般的なリスク・副作用については、こちらのページにも詳しく掲載していますので、ご覧ください。