口腔癌検診

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本日は営業日の日曜日ですが、午前中のみの診療で患者さんにはご迷惑をおかけします。午後からは歯科医師会の口腔癌検診に参加して、勉強を兼ねたお手伝いをしてきたいと思います。さて、健診の予習を昨年の7月29日行ったのですが、半年経つと覚えていませんね。そこで復習をかねてブログの更新と相成りました。前癌病変や初期癌はヨードに不染性を示すそうです。理由は通常の口腔粘膜はヨードグリコーゲン呈色反応で染まりますが、癌細胞は顆粒細胞層のグリコーゲン含有量が少ないので、染まりにくいんだそうです。3%のヨード液の一回染色がお勧めですが、潰瘍にしみるのと、手元にないときなどは市販の1.2%ルゴール液の複数回染色でも良いようです。不染域があった場合は専門医へ紹介するべきだそうです。その他の生体染色の方法としては、トルイジンブルーによる染色があります。これは病変部(高度異形上皮と癌組織)が青紫色に染まります。

お口の中のできものや傷がずーっと治らない人は口腔外科を受診しましょう。

さてこれから口腔癌検診ですが、相模原市の人口は80万以上です。年1回2時間で診られる患者さんの数は100人以下です。これを健診といっていいのでしょうか?確かに健診ですが、市民の健康をまもるための健診であるという位置づけであるならば、少なくとも市民の1割以上が健診を受けられる体制づくりが必要な気がします。今回のようにウエルネスで口腔癌の健診だけを行う形式で万人単位の健診は無理です。そうすると、市民の皆さんに虫歯、歯周病の定期健診の習慣を持っていただき、少なくとも半年に一回は歯医者さんにお口のクリーニングに通っていただくこと、この際に歯科医師がきちんと粘膜も診て必要なら専門医を紹介すること。この体制ができないと、公衆衛生的な意味での健診にはなり得ない。と思います。

そのために必要な事は市民に対する教育(教育ということば悪ければ情報提供)と歯科医師に対する教育(口腔癌のスクリーニング)です。

半年に一回くらい歯医者さんにいきましょうよ。それだけで60歳代までに抜ける歯が3本以上へるんですから!(あくまでも平均値ですけど)

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このページは、星歯科矯正が2008年2月17日 13:13に書いたブログ記事です。

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