正しい理解

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今週も忙しい1週間であった.前のブログにアップしたように日曜日には新潟で学会発表をしてきた.月,火と診療し,水曜日は朝からスタッフと千駄ヶ谷におでかけ.10時からJALアカデミーで患者接遇セミナーに参加.丸1日大変でした.かなりダメだしされましたが,星歯科矯正のスタッフは院長が思うより能力が高かった.しかし,言葉遣いと立ち居振る舞いは訓練しないと改善しないことを痛感した.木曜日は昼間はリンガルの講習会,夜は横浜の神奈川県歯科医師会館で野球大会の運営会議と抽選,死のブロックを引き当てチームメイトから切腹を申しつけられてしまった.まいった.まいった.

リンガルの講習会は火曜日に知り合いからバーチカルスロットをもつリンガルブラケットを紹介してもらった.そのホームページをみたら,25日にセミナーのご案内があるではないか!これは天のお導きと水曜日に千駄ヶ谷から電話してみると参加できるとのこと,新しい事を吸収できるかも?と少し上機嫌で過ごすことができた.ですが,そのセミナーとっても期待はずれ!

リンガルの講習会というより,演者の先生の人生記を聞いているようでした.私はこのようにして矯正治療を習得しましたというような.人の基本はパッサーですから,人から習ったことを次の人に教えるという行為は有りですが,自分が理解してからにしていただきたいものである.理解なしに自分が言われたとおりの言葉をパスすると,それは伝言ゲームである.何世代か先には全く違った言葉として伝わる.もしくは伝える価値のないものとなる.是非とも,ご自分が理解した上でご自分の言葉で伝えていただきたいものである.リンガルの講習会と言いつつ矯正治療とはなんぞや?矯正治療で創り上げる咬合とはなにか?から話が始まったのはとてもよかった.さらにリンガルだから質が下がるというのは言い訳で,ラビアルと同質の治療結果にすべく努力すべきだししていると聞いたときには格好いいと思ったが最初だけであった.ご自分では理解していない他人の言葉の羅列と,ブロークンコンタクトが放置された仕上がりのオンパレードを供覧されては,興ざめする一方であった.さらには生体の反応を誤解していた.

「リンガルだから仕上がりで上顎の大臼歯が近心傾斜したまま終わってしまう.だから,セットアップで最初にオーバーコレクションしておいてそれを防ぐ,ほら最近の症例は近心傾斜の度合いがすくないでしょ」

何のことはない,最近の症例はインプラントアンカーを使っているからである.全く持って理解ができていない.上顎の大臼歯小臼歯が近心傾斜して終わるのは,固定が崩壊しているからである.リンガルだからではない.エンマスで6前歯を一度に後退させるからである.その証拠に過去の症例でもヘッドギアを用いた症例は比較的上顎大臼歯は近心傾斜していなかったではないか!繰り返しいわせてもらう,最近の症例はセットアップのオーバーコレクションで改善しているのではない,インプラントアンカーが十分な固定を提供しているからうまくいっているのである.この人はメカニックスをきちんと自分で理解していないと痛感した.我々は,エンマスでは引かない.日本人のほとんどのケースでは犬歯の遠心移動のステージが必要である.そうしないと上顎大臼歯の位置をある程度キープできない.ある時期,多くの日本人の矯正医がアメリカ人がするようにエンマスで引いて失敗していた.それを横目で見ながら学習した.しかしながら,日本中でこの事が歴然とした事実として認識されてはいない.こういう下世話な話は学会にはふさわしくないらしい.失敗と認識しないで近心傾斜させてしまった大臼歯のままフィニッシュしている人もいるだろう.このような状況はいつまで続くのか.

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このページは、星歯科矯正が2009年6月27日 17:01に書いたブログ記事です。

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