知らないと怖い子供の歯科治療

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朝日新聞の広告をみたら刺激的な見出しが目に飛び込んできた

「知らないと怖い子供の歯科治療ー矯正,むし歯,さし歯ー街の歯医者には危険がいっぱい」

早速,書店に出向き,プレジデントファミリーを購入,しかし,元来私はこういうマニュアル本が嫌いである.この類の本は「そこそこ」ということを許さない.向上心をもち続けないと許されない.結局そのためにお金を使うことを勧めたりする.この教材がいいとかね.だから,わたしはこのような類の本は買わないと誓った.(だれにだよ)でも買ってしまった.広告に釣られてしまった.「いかん,いかん」と言いながら,ページをめくる.

おお,プライム矯正歯科の割田博之先生がインタビューされて記事が校正されている.え!知ってる人の様だって?ええ知っています.先日も講習会で会ってお話しさせていただきました.ですから,この記事にいちゃもんつけるのはやりにくいですが,私が違うなと思う点が多々あるので,つっこみを入れさせていただきます.


曰く「顎が小さくて大人の歯が入りきらないと予測される場合は,顎を広げてスペースを確保する治療も可能です.」

確かに可能ではある.可能ではあるが,その治療が最適であるかは別問題である.本来が叢生の患者さんを拡大して直す場合,側方にも歯列は広がるが前方へも広がる.当然口元は突出し,獣顔になる.唇が閉じにくくなる.この変化が成長発育による変化と同時に生じていくので本人も親御さんも気付きようがないが確実に口元は美しくない方に変化していく.その患者さんの鼻の高さ,オトガイの成長がどれくらいになるか,小学校低学年で予測しきる歯医者は矯正専門医でもいないとおもう.それなのに,その時期に拡大治療を始めるのはどうしてか?そのような,歯医者は「将来的に口元の突出が気になった時点で抜歯して治療を開始すればいい」と言い訳する.ちょっと待て,それだったら,永久歯が萌出するのをまって抜歯して直した方が効率がいいだろう?拡大した時期の治療は全くの無駄なんだから.逆にいえば,拡大してもきれいな口元になる人は永久歯が生えてきたから拡大しても十分である.

早く拡大しないと手遅れになるという矯正医はかからないほうがいい.


曰く「最近はインビザライン,やインコグニートなど目立たない矯正装置も出てきているそう言った最新の情報を常に患者に呈示しているかが大事なポイントだ.


新しい治療方法は信頼性がない.インビザラインに至ってはそれだけではすべての歯の移動ができない.インコグニートはドイツの技工所の質が落ちたら話にならない.新しいものに飛びつく人は今の自分に自信がないのかもしれない.新しいものを学ぶ姿勢は大切だが,その信頼性について確認がとれるまで広告はひかえるのが医療人としての姿勢だと思うがどうであろうか.


曰く「安いところにありがちなのが,治療時にワイヤーを外さずに外から締め直すだけというもの.そうすれば一人にかける時間は短時間ですむので自然と値段を下げることが可能になる.」

毎回ワイヤーを調節するとジグリングフォースが生じ,歯根が吸収しやすくなるという報告もある.また,仕上げの針金に入れた曲げが実際に歯を動かしきるまでには2カ月かかる.毎月調節すると過剰の曲げを入れることになる.この先生は自分のテクニックを基準にしているようだが自分の知っていることがすべてではないと思う.クリーニング目的で毎回ワイヤーを外すところもあるが,プロフェッショナルでもワイヤーを外さなければクリーニングできないのであれば,患者さんが自己管理できるわけないではないか.ワイヤーをつけたままでも十分クリーニングは可能である.色んな道具もあるし.毎回ワイヤーを外す事を協調する先生は自分に自信がないのかもなんて思ってみたりもする.


以上3点つっこみ所がありました.

このブログ記事について

このページは、星歯科矯正が2009年4月 1日 16:41に書いたブログ記事です。

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