インターディシプリナリーデンティストリー

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一月も、もう半分過ぎてしまった。月日の経つのがとても速い。1月4日以来の更新である。その間何をしていたかというと、前半は仕事したくない病、先週末はプレッシャーに負けていたのである。13日の日曜日にパシフィコ横浜のアネックスホールで開催された、「神奈川県歯科医師会第6回学術大会」で発表をしてきました。

事の起こりは、昨年9月に神奈川県歯科医師会から送られてきた演題の募集をみたからである。何気なく読んでいると、

「開業歯科医師の臨床に即した内容で発表してください。発表者が日常臨床に於いて責任を持って行っていることであれば内容は問いません。」

とあるではないか、開業2年目たくさんの患者さんからご来院いただくためにアピールに使えるものは何でも使おうとその時の私は思った。らしい。その時の僕は凄くアグレッシブであったし、1月13日は遠い未来で絶対に来ることはないと思っていた。らしい。

案の定、土壇場まで準備は完了せず1月の私はふーふー言いながら原稿をつくり、同時に9月の私を呪っていた。

金曜日にスライド、原稿とも作り終え、新潟大学の後輩のF嶋先生とT巣先生相手に予演を行い、だめ出しをされ準備万端、日曜日の発表を迎える予定であったが、やはり初めての場所は緊張しする。ゆっくりしゃべりすぎ予定時間をオーバーしてしまった。ま!無事終わったのでヨシとしよう。

何を発表したかというと以下に抄録を引用します。

インターディシプリナリーアプローチ(連携歯科医療)の実際

 星 隆夫

相模原市歯科医師会 星歯科矯正


近年,医療技術は高度化し複雑化してきています.歯科臨床の領域におきましても,材料や器具の開発に伴う技術の高度化が進んでおり,一人の歯科医師が全ての歯科領域に精通し,全ての領域の技術を習熟することは極めて困難な状況です.このような医療環境の中で良質な医療を提供していくための一つの方策として,各領域の専門医と連携をとりながら患者さんを治療するインターディシプリナリーデンティストリー(連携歯科医療)があります.

連携歯科医療とは幅広い診断能力を有する一般歯科医師と一つの領域に習熟した専門医との連携,あるいは専門医同士の連携の中で,一人の患者さんの治療・管理にあたる歯科医療形態です.なぜ複数の専門医が協力して仕事を進めなければいけないのか?その理由の一つは先にも述べましたように一人の歯科医師が歯科治療に関わる全ての知識を把握できたとしても、全て分野に精通して、個々の患者さんに応じて適した技術を駆使することは極めて困難であるからです.また、複数のドクターが携わることで治療の方法に対し議論がなされ、一人の歯科医師の思い込みではない、より良い治療方法が選択される可能性が高くなります。連携歯科医療は安全で質の高い治療を切望し多様化している患者さんのニーズに対応するシステムです.

私がこれまで矯正歯科医として関わった連携歯科医療の症例について報告したいと思います.

症例1:矯正初診時年齢30歳9か月の女性.下顎右側第一大臼歯の歯冠崩壊に伴う第二,第三大臼歯の近心傾斜および咬合の乱れの改善を依頼された症例.11.6か月のマルチブラケットでの治療を担当した.その後,依頼元の歯科医師により下顎右側第一大臼歯部への下顎左側第三大臼歯の移植,またその後の歯冠修復が行われた.

症例2:矯正初診時年齢61歳6か月の男性.補綴科歯科医師により上顎前歯部のブリッジ作成の前処置として下顎前歯の叢生とdeep overbiteの改善を依頼された症例.最も歯肉の退縮した下顎右側中切歯を抜歯し19か月マルチブラケット装置を装着し矯正治療を行った.その後,依頼元の歯科医師により上顎左側中切歯部にインプラントを用いた欠損補綴が行われた.


何のことはない。私は矯正専門医です。腕前はこんなもんですよ。患者さんできたら紹介してください。という発表でした。こんな発表を聞いてくださった先生方ありがとうございました。多分届かないとは思いますがこの場を借りてお礼を申し上げます。

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このページは、星歯科矯正が2008年1月16日 18:28に書いたブログ記事です。

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